アズーわくわく通信
2007年3月号
心の土壌
巷にはインターネットやテレビなどによって、膨大な情報があふれかえっています。そうした中では、いながらにして、必要な情報も、そうでない情報も入ってきますが、こうした現象が、子供たちに及ぼす負の影響は小さくはないようです。
例えば、教師や親が何かを教えようとする時、子供たちはすでに大まかな知識を持っていますので、少しばかりの刺激では、興味や関心を示さない傾向が見られます。子供たちの無関心・無感動を誘発している背景にはこうした現象もあるのかも知れません。
もちろん、子供たちの持つ大まかな知識は自らが直接体験したものではなく、テレビやインターネットなどからの間接体験でしかありません。当然、実感が伴わないものであるわけです。
かつて、北アルプスの山々への挑戦が不登校の子供たちに感動を与え、元気に登校するようになったとの番組が報じられたことがあります。健康な大人にとってもつらい高所登山を子供たちが行うわけですから、その大変さは想像に難くありません。子供たちは、そびえ立つ大自然に自身の無力さを思い知らされます。ほとんどの子が途中で音を上げ、あきらめかけます。ところが、そのつらさに耐え、頂上を登攀したとき、彼らの心に感動が湧き起こります。その時彼らが流した涙は、これまでの自身に対する決別の涙でもあったようです。
話しは変わって、これまでに6名の日本人宇宙飛行士が誕生しています。最近のニュース報道でも、宇宙ステーションに滞在する事が決まった日本人飛行士のことが報じられていましたが、どの宇宙飛行士も、宇宙から見る「青き地球」の美しさと、宇宙の持つ「深淵な調和の世界」に、深い感動を覚えるようです。よく、宇宙を体験した飛行士たちの人生観は一変すると言いますが、その感動の深さを物語っています。
もちろん、北アルプスの山々に登ったり、宇宙に行かなければ感動できないわけではありません。日常の中にも感じることはたくさんあるはずです。
一輪の野花の凛とした風情に、何を思います?本物の人間かと見まがうほどの美術作品を見て、作者(人間)の偉大さを感じませんか?人の優しさに心うたれたことがありますよね。つまり、美しいものを美しいと感じ、人の優しさや思いやりに感謝するなど、その心のあり方が問われてくるわけです。
感動は、感謝と希望を育む心の土壌を生み出します。よく言われる「生きる力」もそうした心の土壌の中に、培われゆくもののようです。

