アズーわくわく通信
2006年12月号
子供のやる気を引き出す!

子供の学力は世の親御さんたちの大きな関心事ですが、学力は、子供がやる気にならなければ身につきにくいものとも言えます。
数年前に、文部科学省の研究機関が実施したアンケート調査がありますが、テーマは「子供がやる気を起こすきっかけは何か?」と言うものです。
その中で、もっとも多く見られた回答は “両親や教師からほめられたり、励まされたりした時”と言うものでした。
ある教育講演会で、講演者の方がこんな手品を披露します。握った手にハンカチをかぶせ、中心をつまんで引き上げます。華やかなマジックのようにリボンや花が出るわけでなく、ハンカチ全体が引きずられて上がっていくだけです。これを見せながら、その講演者が語ります。
「子供には、長所や得意とするものが必ずあります。それを一つでいいですから見つけ、ほめてあげてください。一点を引き上げることで、大きく成長を促すことができるんです」と。
次に、握った手の下から指を入れ、中心をつまんで引くと、ハンカチは手の中を通って滑り落ちます。欠点のみを責めると子どもは、やる気と自信をなくし、ますます落ち込んでいくということのようでした。
関連する話になりますが、教育心理学における心理行動のひとつに、教師の期待によって生徒の成績が向上するという現象があります。教師期待効果とも呼ばれているものですが、アメリカの教育心理学者らによって行なわれた実験に由来しています。
実験では、小学生に知能テストを実施するに当たり、担任教師にあるメッセージを送ります。「この知能テスト(ハーヴァード大学式学習能力開花期テスト)は子どもの1年後の成績の伸びを予想できるテストです。担任教師にだけは、将来伸びる子の名前を教えましょう」と。
しかし、そこで教えられた子供たちは知能テストの成績に関係なく、無作為に選ばれた子供たちで、その知能テストもごく普通の知能テストでしかありませんでした。ところが、それから1年ほどした後に、再度知能テストを実施したところ、名前をあげられた子は、そうでない子に比べ、明らかに成績が上がっています。
周囲が期待することによって、その期待に応えるようになるという現象が起きたのです。この現象は、担任教師がその子供たちに対し、期待のこもった眼差しを向けたことで、子供達も期待されていることを意識し、成績が向上していったものと考えられます。
子供の可能性を信じ、その長所を伸ばそうとの思いで接することが、子供のやる気を引き出し、その可能性の芽を伸ばす最大のポイントと言えそうです。

